映画館が暗くなる理由

映画館が暗くて本当に良かったと思う。

昨日サマーウォーズを見に行った。
監督の細田守がインタビューで語っていたとおり、何のひねりもなく、
ものすごくストレートなヒューマンドラマで、何度も泣いた。

「突飛なものを作る必要はない。やっとそれに気づいた」
監督の言葉は重い。痛いほどそれがよくわかった。


僕は泣いていることを悟られないように静かに泣いた。
彼女と一緒にいても、親友と一緒にいても、一人で見ても
安心して涙を流すことができる、それが映画館に行く理由なのかもしれない。


映画館は暗い。
だからこそ、そこに数十人の人がいても安心して自分の世界に入れる。
映画の世界に入り込める。

繰り返すが、映画館が暗くて本当によかった。

こういう内向的な日記はあまり書かないようにしてたんだけど、
吐き出すことも大切なんだな、って最近再認識した。

日々いろいろなことを考えるけど、考えただけではその時の感情はいつか忘れてしまう。
こうして文字にすることで、言葉にすることで、初めて自分の言葉になる気がしたし、形にして初めて、自分の感情を再認識することができる。


今日、録画してあったブザービートを一気に見た。
これも何のひねりもないストレートなラブストーリー。
山Pや北川景子が、これ以上ないくらいいとしく感じた。
自分の気持ちに恐ろしいくらい素直で、純粋。お互いに心の底から惹かれあっている。
ちょうど一年前のこんな感情を懐かしく感じつつ、
「こんな風に人を愛することは二度とないんだろうな」とすこし悲しくなった。
一人で見ていたとしたら、きっと涙をこぼしていたことだろう。
でも、母親と二人で見ていたから、泣くことはできなかった。
泣いても良かったけど、弱みを見せたくなかった。


これが映画だったらどんなによかったろうと、心から思う。
映画館で見ていたら、もっと素直な気持ちで見れただろうし、あの時の気持ちを思い出せたのに。


まぁ、そういうわけで、またマンガを買い込んだ、。伊坂幸太郎原作の「グラスホッパー」とデッドマンワンダーランドと、日本人の知らない日本語


やっぱり芸術は一人で鑑賞するものだよね。
そばにだれかがいても一人になれる。そして、見終わった後は、同じ感情を共有しあえる。
映画館って、本当に素敵で、どんな時代になっても、消してなくなってほしくないと願うし、どんな時代になっても、映画館に通い続けたいと思う。

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